一眼レフはなぜ「ボケ味のある」写真がとれるのか。(スマートフォンなぜボケずらい?)

一眼レフの醍醐味と言えば、ボケ味のある写真が撮れる事だろう。
しかし、このボケ味のある写真は、一眼レフだけのものなのだろうか。昨今の、スマートフォンの進化はすさまじいものがある。各社カメラには非常に力をいれており、最近ではiPhone7プラスがデュアルレンズなるものを発売し話題を呼んでいる。ではなぜ従来のスマートフォンで一眼レフのようなボケ味のある写真を撮る事はなぜできないのであろうか。今回は、なぜ写真が「ボケる」のかをもとに上記の疑問を考えていこうと思う。

では、早速本題にはいろう。実はボケ具合とは、被写体までの距離が一定の場合った2つの要素」で決定されているのである。

そもそも、「ボケ味のある写真」とはどういう写真なのだろうか。(余談ではあるが、このボケ味のある写真をわざと撮る技術は、日本発祥のようで、英語でも「Bokeh」と呼ばれているそうだ。)
「ボケ味のある写真」とは、言い換えれば、ピントがあっていない箇所がある写真ということだろう。では逆にピントがあっているとはどういった状態を指すのだろうか。下記に要約してみた。

<ピントがあっているとはどういう状態か>
 ①ピントが実質合うのは、1点のみ。
 ②被写体がスクリーン上で像を結ぶ時、その像は円形になり、その範囲を錯乱円(ぼけ具合)と呼ぶ。
 ①ボケ具合
 ③錯乱円の大きさはピントが合っている1点と離れれば離れるほど、大きくなる。
 ④本当の意味(ジャスト)で、ピントが合っていなくても許容できる範囲があり、これを許容錯乱円と呼ぶ。
 ③④ボケ具合
 ⑤錯乱円の大きさは、ボケ具合を示し、大きければボケやすいと言える。
 ⑤ボケ具合
 ⑥錯乱円(ボケ具合)が許容錯乱円を超えた場合、ボケているという事になる。
 ⑥ボケ具合

この錯乱円(ボケ具合)は次の計算式で求められる。

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この計算式によると、錯乱円の大きさ、つまりボケの大きさは、焦点距離の2乗に比例し、F値に反比例するということになる。言い換えれば、被写体までの距離が一定の場合、ボケ具合に関係するのは、焦点距離と、絞り値(F値)のみであるという事である。それぞれのまとめと、なぜそうなるかを簡単に図示してみた。

絞り値について

絞り値とぼけ

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明るさをコントロールする絞りを開放する(F値が小さい) ほどボケやすい。(例:F4→F1.4)
焦点距離について

焦点距離とぼけ

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レンズから、イメージセンサーまでの距離である、焦点距離が長いほど、ボケやすい。
被写界深度とは
被写界深度が深いとかピントの合う範囲が広い事を指し、被写界深度が浅いとは、ピントの合う範囲が狭い事を指します。上記の通り、絞りを絞ればピントの合う範囲が広くなるので、被写界深度は深くなり、逆に、絞りを開けばピントの合う範囲は、狭くなり被写界深度は浅くなります。絞りを開いた撮影は、大きなボケを利用して、被写体を目立たせる効果があり、人物、花や小さなものを移す写真に向いています。被写界深度を深くする撮影、画面の隅々までをシャープに写す効果があり、風景写真などに向いています。こう考えると、目が悪い人が、目をほそめる(絞りをしぼる)のは被写界深度を深くして、ぼけをなくすためにやっているわけですね。目が良い人もちょっとぼやけているなと思う箇所をテレフォンカード(もはや死語ですね)の穴から覗いてみると、上記の説明が感覚的にわかるのではないのでしょうか。私も昔、メガネをかけるのが嫌だったので、よく塾で、テレカの穴から黒板を覗いていました。笑

iPhoneなどに代表されるスマートフォンはすでに、F1.8(絞り値)と非常に明るいレンズ(ボケやすいレンズ)を使ってはいるが、この焦点距離を伸ばす事はスマートフォンという形状である以上、不可能である。(スマートフォンを分厚くする必要があるため)ボケの大きさは、焦点距離の2乗に比例するため、この焦点距離が短いと、どれだけ、絞り値(F値)を小さくしたところで、ボケ味のある写真を撮る事ができなくなるのである。そのため、一眼レフと同等にぼけている写真を取ろうとすると、iPhone7のように、デュアルレンズなどを採用するか(おそらく違う2点に焦点を合わせて写真を撮っている)、エクスペディアのように、アプリ上で、処理を行うほかないのである。構造上、焦点距離を伸ばす事が出来ない事がスマートフォンが一眼レフのような「ボケ味のある写真」を撮れない理由なのである。