【WBS】161210(金) 政府 医薬品全体の価格見直しに着手

政府 オプシーボをきっかけに医薬品全体の価格見直しに着手

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新型のガン治療薬オプジーボです。これ1つで価格は、なんと約73万円なんです。当初は、患者数が470人と少ない人数の治療薬として承認されました。対象者が少ないと、開発費をまかなうために、薬の値段というのは、必然的に高くなります。そのため、およそ73万円という値段設定になっていたのです。しかし、このオプジーボは比較的人数の多いほかのガンにもつかわれるようになりました。政府は将来的には、5万人に使われるようになると試算しています。高額な、医薬品が用いられれば、当然、社会保障寮費の増額につながり財政を圧迫することになります。そこで、この治療薬の値段を17年の2月に急遽5割値下げすることが切りました。またこの薬をきっかけに、政府は、医薬品全体の価格の見直しも進めようとしています。なぜ今見直す必要があるのでしょうか。

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医療費の現状はこちらになります。日本の医療費というのは年々増えています。2015年度の医療費の伸びは、1兆5000億円(+3.8%)も増えています。4年ぶりに3%以上の高い伸び率となりました。この3.8%の内訳を見ていくと、高齢化が1.2%あるのですが、それ以上に、薬剤料が1.4%となっているのです。この薬の価格の決め方に政府はメスをいれようというのです。具体的には、現在2年に1度見直しが行われている、価格の見直しを1年に1度見直そうというのです。経済財政諮問会議によると、この価格の見直しを毎年行うことによって、年間の削減効果は1900億円にも登ると試算しているのです。これが実現できれば、かなりの削減効果が期待できますが、製薬業界からは、反対意見も出ています。

中央社会保険医療協議会で語られた、製薬団体の見解は?

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今日執り行われた厚生労働省の諮問機関の中央社会保険医療協議会では、製薬団体や医薬品卸団体のトップらが、一同に介しました。

果たして製薬団体は、何を語ったのでしょうか。

製薬団体代表A 「毎年の薬価改定には、断固反対の立場です。」

製薬団体代表B「万が一毎年改定されれば、医薬品の安定供給の責任を果たせなくなる」

製薬旦団体代表A 「われわれの事業の経営は、ある程度予見性がいる。毎年毎年ルールが変わると、ルールを前提に投資や人の配置をしているので、毎年経営の前提条件が変わってしまう。」

製薬団体、医薬品卸団体は一様にこの1年に1回の薬価改定に反対の姿勢です。

また、新薬の開発にも影響が出るとしています。

製薬業界代表A

「薬価引き下げの一時的猶予で得られた新薬の収益を研究開発に再投資し、革新的新薬の創出をおこなっている。」

医師会を中心におプシーボについてこんな意見も出ています。

中医協委員(医師会「今回はあまりにも大きすぎて、国家財政に穴が開く」

製薬団体代表A 「不合理な部分もあるので、それはかえるべきというのが基本のスタンス」

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Q 大江さん「年に1回の薬価改定をどう考えている?」

A 日本製薬団体連合会会長 多田氏 「それは厳しい、非常に厳しい」

Q 大江さん「現行の薬価制度について、問題点はあると考えていらっしゃいますか?」

A 多田氏 「はい、薬価制度自体は、問題、課題があるから、2年に1度、変える前提で変えてきた。あるときあるスピードで急にかわることが非常につらい」

これについて、経済財政会議で、政府の委員を務める専門家はこう語ります。バイオ医薬品の開発が高まる中、従来よりも、薬の開発期間が短くなっていると指摘します。

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東京学芸大学伊藤由希子准教授「 保険適法の範囲も頻繁に変更の頻度が高まってきている。対象となる、患者が増えれば、薬がより安くできるはずという考え方を柔軟に公定薬価に反映したほうが当然利用者のメリットになる」

大江さん

「オプシーボの値段を来年の2月に急遽5割さげるというのが、この議論のきっかけにはなっているのですが、ただ、新薬の開発自体は、国の成長にも資する重要な、役割があります。それと財政とのバランスの中で、みつけていくのは、非常に難しい問題ですね。」